2018年3月14日水曜日

白い



縁側に正座をして タバコに火をつける

見上げれば 何かロマンチックな歌でも歌いたくなる様な
満天の星空と白い煙と白い息

些細なモヤモヤの 救いを求めてつもりで
買ったタバコは ラッキーストライクで

その幸運そうな名前に惹かれたというより
パッケージが変わってという理由で それを選んだ

タバコを吸わなくなったこの10年で
タバコの立ち位置も 喫煙者の立ち位置もすっかり変わってしまった


「今では高校生もアイコスだよ」と とある高校教師が言っていた

あの頃は皆 ジェームスディーンに憧れて吸ったタバコも

今にとってのそれが  見当たらない
というより それを知らないだけかもしれない


コンビニで 小銭と健康を引き換えに
20本入りのそれを 手に入れたところで 何を得たのだろう

ただ それを吸う その時間を得ただけなんだ
救いなんかはそこにはなく ただその時間を

無意味なその時間が 有意義なことだと思って

また タバコに火をつけた

とうの昔に捨ててしまった灰皿の 行方は知らず

飲み終わったらペットボトルに ただただ吸殻だけが溜まっていく

タバコごっこも またしばらくやめておこう