2016年6月12日日曜日

ギンヤンマはキライだ だって美味しくなさそうだから


松本駅前のイトーヨーカドーの地下の 食料品売り場で

胸に”ちぃんちぃん”と 描かれた Tシャツを着た アジア系外国人旅行客をみて 

一瞬唖然とするも それが仏蘭西の大人気漫画「タンタンの冒険」
のモノだと理解するのも 時間の問題だった


国や文化や言葉の違いは 時に愉快で時に残酷である


中学生のとき 英語の授業で リピートアフターミー的に読まされた
そのとき "小指” を意味していた ピンキーという単語を

英国人講師が ボクらにリピートアフターミーをさせながら爆笑していたので
その理由を問うと 彼は祖国のスラングで 
”ピンキーは 小指のように小さなおちぃんちぃんを意味するだぜ” と教えてくれた


その様は さぞかし滑稽であったろうなと 今でもしみじみ思う


日曜の朝に こうして日記を書きながら 日曜の朝だっていうのに
なんでこんな話になったんだと 自己嫌悪に陥るのである


起きてから 落語を聞きながら 風呂に入り 
マルっと膨れたワガママボディを丸洗いして

fishmansの『宇宙 日本 世田谷』を聴きながらこうして 日記を書く


いつか此アルバムのWALKING IN THE RHYTHMの クラブパーティで
まるまる一曲かけたときに 佐藤さんの唄の無くなる後半部分になると
フロアからどんどん人が減って行く様を DJブースから眺めていた

曲ももちろん 最後にどんでん返しで盛りあがることもなく
終わりかけて 音をどんどんと減らしていく 
最後にピアノの音を心の鼓動のような音だけが残る

これがあるから次のデイドリームが最高なんじゃないか 最高ですか!
と突きつけるかのようにプレイするボクは 傲慢で厚かましい最低のDJだった

ボクはなんてあそこの小さな男なんだ


お後がよろしいようで 

それではよい休日をお過ごしくださいませ



 

2016年4月10日日曜日

ボクの好きなあの唄は いつも君に聴こえていない


ビールを2杯 スクリュードライバーを1杯

ボクをヘベレケにするには 充分なほどの お酒を呑んだ夜

充分なほど上機嫌になって 帰路を歩む


イヤーフォンを持ち合わせておらず 耳元で迷惑にならないボリュームで

アイフォーンのステレオから ポラリスの「光と影」を鳴らした

それだけでは飽き、足らず 
そのアイフォーンを左の耳元で 扇ぐように揺らし
自分だけに聴こえるよう リバーブ効果を加える

その曲のまた心地よさを知る  

そしていつかのタイコクラブで
其バンドが まるで青空を薄赤い色を変える魔法をかけるように

「季節」という曲演奏していたことを なんとなく思い出していた

しかしボクのアイフォーンは 魔法の杖でもなく 
どんな振っても あの深い藍色の空は 晴れ渡ることもなかった

むしろ 自らも意トしない操作で その曲を停止させてしまった

それでも懲りずに ボクはアイフォーンを振りながら帰った


その姿を不審に思った警察官に 捕まらなくてよかったと 今更思う


いつもより遅い就寝から いつもより早い起床をし
『リップヴァンウィンクルの花嫁』という映画を観てきた

岩井俊二監督が描く その世界と描写は
ときよりドキュメンタリーでも見ていると錯覚するほど 生々しく
その錯覚とその物語との距離感覚が混乱するほどに
その非日常的な世界が 美しく描かれていた

そして 真白から吐き出させる 真白の優しい言葉に
ただただ 涙が溢れてきた  最近 体重がまた増えたせいか 涙もろくなった


いつか”リリィ・シュシュのすべて”
を観たときの自分を なんとなく思い出していた

あの鉄塔とカイトのシーンが その悲しみと反比例するほどに美しかったこと
最後の描写に 共感を抱いてしまったこと

それから昔 映画監督になることを夢見たことを 思い出していた

今となっては 映画監督どころか ただの小太りで
映像を撮るとなっても 鉄板の上で踊る肉を撮るぐらいなもんだ

夢を諦めたわけでもなく かといって必死に実現しようとしたわけでもなく


ああ なんていい加減な生き方をしているだ 

と ほどよく自己嫌悪になったところで ボクはあの歌を口ずさむのだ


2016年3月27日日曜日

くすんだステンレスに流して消した


ある日 ボクにかかっていた魔法が 解けてしまった

涙がでた 涙を止めたくても 何しても止めることはできなかった

何度も顔を洗った

”なんでもないことが 幸せだったんだ”


なんて 吐き気がするほどの在り来たりな言葉は

くすんだステンレスのシンクに 流して消した


今年の とくに花粉症はひどいもんだ


「夕暮れの色が 本当の世界の色だとしたら」

なんて歌のように いつでも花粉症であることが
当たり前の世界になろうとしている


人々は 抗アレジィ剤を飲み続けることが当たり前になり
新薬を求めて 企業戦争どこか 世界中が戦争になり

新薬の開発どころか 戦争兵器の開発に狂い 大気はまた汚染され

無害であったはずの花粉が アレジィ反応の起こる物質に変化し

人々はまた 花粉症どころが 新たなアレジィに苦しめられる

もはや 戦争兵器の必要もなく それ自体がバイオ兵器となる 

ゼウスは 19世紀から人間が人を滅ぼすためをシナリオを

すでに書き終えているのである


なんて くしゃみ鼻水が止まらなくなると伴って 被害妄想も止まらなくなる

誰を責めようとも こんな世の中になってしまった以上
今この世界に対応しながら 生活をしなければならないのだ


19世紀を生きた ダーウィンはこの言葉を残している

”最も強いものが生き残るのでなく、最も賢い者が生き延びるわけでもない。
唯一生き残れるのは、変化できる者である。”



だから ボクは毎日 鼻の穴を洗っている 

顔を洗いながら鼻の穴まで洗っているのである


アレルギー反応に対しては 何よりのその物質を代謝することが 重要であると聞き
少しだけの粉末ポカリを入れた ミネラルウォーターを2リットル 1日かけて飲んでいる

どちらも 個人的にはかなり 症状が楽になっているような気がする


紫蘇をいいらしいので 今日は紫蘇の種を畑に蒔こうと思っている
そして シソジュースを開発して アレルギーで悩む人々に配るんだ


今日も悲しいほどに 空が晴れている また見えないソレが 空を舞っている


晴れの日を悲しむなんて 悲しすぎるじゃないか

いつだって 気持ちは晴れやかにいたいものだ


だから今日も花粉症と向き合おうじゃないか

花粉症に 涙を流している 友よ 


そう 夜明けは近い


2016年1月19日火曜日

晴れ ときどき とんかつ


「どうせ生まれてくるなら ライオネルリッチーみたいな顔で生まれて来たかった」 

と小4だったボクがつぶやいた

そして母親は 見たこともない表情を一瞬見せて ボクを殴った

それは母親に初めて殴られた瞬間でもあった

彼女は元々 そっち系のスキンヘッズだった


ボクは泣きながら 母親を睨みつけて 歌った

”ウィアーザワー ウィアーザチルドレーン”

ボクは 本当の意味で子供だった


それからボクは「We are the world」のカセットテープと
アイワのポータブルカセットテーププレイヤーを 
小さなリュックに投げ込んで 家を飛びだした

それが 初めての一人旅だった 



それから二十と数年 足の裏から耳たぶまで
しっかりと染み付いた放浪癖は 未だに取れないまま


チッポケな人生なんてクソ食らえだ! なんて思っていたそんな少年期

旅をすればするほど この星は 
無数の素晴らしき(愛おしき)チッポケな人生の集合体で

狭いと思っていたこの国は 思いのほか 広く

そして なんでもないような景色の中には 
果てしない物語があり それは誰かの故郷なのである

旅はいつも 多くを学ぶ


この前の年末年始もリュック一つ スケートボード一つ 体重83キロの体一つで 

旅をしてきた

松本→広島→福岡→熊本→鹿児島

博多で立ち寄った うどん居酒屋が忘れられない

帰り道で 見かけた 尾道の朝の景色がグッときた
思わず「あ」と声が出た


そんな旅の記録をまとめてみました



旅で思ったこと 美味しかったもの たくさんしゃべりたいこと
ここに書きたいことがあった気がするけど うちに帰ってお餅を食べたら
ほとんど忘れてしまったので

またなにか思い出したら お話しします


とんでもなく寒いから どんとの唄でも聴きます


2015年12月29日火曜日

あふれ出た夢は しゅまいにつめて


先輩に誘われて お餅つきに行っていた

もち米を蒸し 蒸すために火を焚き 巻きを割る

餅をつく 餅をのばす 餅を食らう きな粉をつける 餅を食らう


お漬物と 暖かい料理が出てくる それを食べながら
男たちは 火を焚き もち米を蒸し 餅をつく

これが 年の瀬 師走の 大仕事

家族や ご近所さんや 気心知れた仲間と 
正月と長い冬のための支度をするなんて なんてステキなことでしょう



来年のお正月の準備をしながら 今年を少し振り返る

思い返せは 今年もとてつもなく 長い長い一年だった


今年のお正月のあめ市で お神輿をかつぎ 今年は綱引きも勝った



何度も キャンプへ出かけた



静岡GREEN PARK PICNICには オリジナルプロダクトを持って参加させてもらえた

それからスタジオドーナツさんとも たくさんステキな仕事をさせていただけた


まだ始めて間もない QUIET SPACE だけど 少しずつプロダクトも増やせた


愛車もホワイトなバンに変わった


[Chunk`s] という ちいさなイベントに 区切りをつけたのも今年だ
Chunk`sから飛び出した というわけでもないけど 


盟友ダチっコのお店 [ the source diner]のオープンした

本当に今年は 変化や新たに動き出したことが たくさんあった年だった

来年も いい意味での変化しつづけたい
バカでノロマで小太りなボクだけど少しでも成長できるよう 努めよう


そんなわけで2015年の「かっくん」としての活動は今日でお終い

今年も 青春18切符で旅にでます 探さないでください

どうしても探したい人は インスタグタムまで


今回の旅は長年集めてきた KEN KAGAMIさんのTシャツを日替わりで着よう

それから 誰にも聞こえぬよう ボガンボスの「最後にひとつ」を
口笛吹きながら 知らない街を歩こう


思い出してみれば 本当に今年も 
たくさんの人たちの優しさに救わてきた 一年でした

32歳になっても 恩を 仇とアレでしかお返しできてない 不届き者ですが

自分なりに 少しでも皆様へご恩や感謝をお返しできるように努めます

本年も ありがとうございました


来年も 皆様 仲良くしてください




2015年10月8日木曜日

豆腐を茹でよう 君の涙が已むのなら


白いウエスタンブーツ  

白いウエスタンブーツを履いた人間しか その街に入れない


のかと 思うくらい その日の原宿には 白いソレを履いた女性しかいなかった


ほどよく色落ちしたリーバイスの505でも探したろ と思って訪れた原宿の
シカゴの 階段を降りたその先に どこぞのカーボウイが履いたかわからない
白いウエスタンブーツが 大量に陳列されていることにまた 
少しの恐怖みたいなモノを感じながらも

どこぞの労働者が履いていたかわからない 
ほどよく色落ちしたアメリカ製の505を手に入れ その街を去った 


10年ほど前の話だ


10年前のその日は 流行とオシャレについて 
答えなき答えを自問自答する ある意味 トラウマのような日だった


そのスタイルが良い悪いというファッション評論ではなく
流行というモノのエネルギーを
目の当たりにしたというより 妙に客観視してしまった日だった


そんなことを 色落ちの進んだ505に脚を通しながら思い出していた


気持ちのどこかに夏気分を残したまま
履くズボンは 長ズボン  半袖のTシャツの 上に羽織るモノを

押し入れの奥の奥の奥のほうから 引っぱりだしては

「ああ こんな服持っていたな」と 
その服にまつわるエトセトラをなんとなく思い出す  そんな 季節となった



ここ数日の この街の朝晩の冷え込みも とても秋とは思えないほど


朝方に めくれた布団から 飛び出した足の先を 温めるつもりかなんなのか

右足のアキレス腱を 左足のお父さん指とお母さん指で挟んで寝ている自分に

なんとなく気がついて 目を覚まし 結局 冷えきったその太い脚足を

どうして 温めてやろうかと 思い悩みながらまた 眠りに落ちる


暖かくして眠ればいいだけなのに 今日も目を覚ます

寝冷えもする お腹も痛くなる 暖かくして眠ればいいだけなのに




とにかくボクは とびきりセンチメンタルなんだ



2015年9月6日日曜日

タマネギを 縦から切るか 横から切るか

「フェースブックで 友達にバレずに出会える」というアプリで

彼氏が出来たと 自ら自分の友達にバラしている 友人会った


出会いのきっかけや そのツール(コンテンツ)が どうであれ

彼女は以前より 楽しそうな顔つきなったので 
いいんじゃないかと思っている


昔は 結婚する相手もなにも知らないまま 嫁に行ったもんだ
と 昔の人が 言っていた


経済と社会の成長と文化の発展が ボクらに自由な恋愛を与え

そして その出会うための手段も またビジネス化とデジタル化した


この国では 誰もが誰に 恋をすることを許されている




ボクはずっと ボクの口笛が 君に届いていないと思っていた

あのクラスで ボクが『小太りの透明人間』と呼ばれていたあの頃 
ボクがそこにいるのに いないことになっている教室で ボクはいつも口笛を吹いてた


「ピーピュー ピーピュー ピーピー 
 ピュウピュウピュっピュー ぅおーう 君に夢中」

ボクはいつでも 彼女を思った唄や 聴いてもらいたい唄を 口笛吹いていた

その聴こえない口笛を吹くことが

彼女に想いを伝える 唯一の手段だった



彼女の日常に BGMを加えるのが ボクの役目だった


それはいつでも どんな表情 どんな仕草でも 

映画のワンシーンのようだった



そう 思い込んでいた


あるとき 彼女が泣いていた  

ボクが誰にも気づかれず 気づいてもらえずに
遅刻して入った 教室で

たくさんの女子に囲まれて 彼女は泣いていた


なぜ泣いているか ボクにはわからなかったが

ボクは ボクのノドのずっと奥のほうを

ギューっと 締め付けられるような 感覚がした

それは 初めての感覚だった  

ボクは居ても立っても居られなくなった


ボクは 彼女がまだ知らない唄を たくさん知っていた
ボクは 彼女を励ますための唄を たくさん知っていた

だから ボクは 彼女を励ます唄を 

その聴こえない口笛を 精一杯吹いた


「ぴゅーぴゅぴぴー」

女子たちが 一斉に ボクを睨みつけた


ボクは 口笛を吹くのをやめた

ボクは 家に帰ることにした

ボクは 彼女を好きでいることを 
やめることにした


少なくとも ボクの口笛が彼女に届いていたことが 嬉しかった

でも ボクのしていたことが彼女にとっていいことだったかは

今でも わからないでいる


ボクは 恋する惑星に生まれたはずなのに