2016年8月15日月曜日

不意に胡椒を 噛んでしまった そのときに

ポケモンGO をやっている

先日 公園にあった トレーナージムという 

自分の持っているポケモンの強さを試し合い
そこで勝つと そこのジムの主なり ポイントをもらえる
逆に 負けて乗っ取られることもある 

そんなジムをボクはひとつ 乗っ取った

夢中になっていて気がつかなかったが その公園(ジム)には
スマホを持った小学生が来ていた

彼からボクは ジムを奪ってしまったのか と罪悪感に襲われそうになり

自分のスマホを見ると さっきジムに設置したはずのポケモンが
体力が0になって戻っていた 秒殺だった

罪悪感など一瞬で消えたどころか ボクとボクのポケットモンスターは
尻尾を巻いて その公園からすぐに立ち去った


強いも弱いも 年齢なんて関係ないのか と思った

それにしても見事は負けっぷりだった

それからすぐに 敵いっこないほど強いポケモンが そこに設置されたのを
少し離れところで 確認し ボクとボクのポケットモンスターは また縮こまった


いつかの出来事  

朝7時から夜9時まで 現場が始まる前から 
現場が終わって一杯やってからでも間に合うような営業時間で

品揃えは ネジ一本から「あんな工具あったらいいな?」の工具まで
行けば 誰かどうか知り合いの大工さんに会う そんなお店の出来事


まだ真新しいニッカポッカを履いた 十代のヤンキー風少年が

ギャル風少女を連れて 新たな上っ張りを買いに 来ていた


レジスターを打ち込んでいたのは どう見ても 
彼よりボクよりも 年上の男性だったが

「これ切って いらねーから」 

少しというか ギコチナイ口調で彼は レジ担当におじさんに
お値段タグを 切ることを命じた

「く、くチョー (口調)」 

とギャル風彼女は 苦笑いというより 顔を引きつらせて言った

「は?」と 彼は彼女に言って

「袋もいらねーから」と また強気風の口調で エコな姿勢を見せた


「クチョー…(口調)」 彼女は さっきより悲しい顔で 彼に訴えた


しかし 彼のツッパリの姿勢は 誰にも止めることはできなかったが
レジ担当のおじ様が あたたかい眼差しで 彼らを見つめ
「ありがとうございました」と丁寧に 頭を下げ 送り出していた

そこにあった 3つの感情が生み出したドラマを 
目の当たりにしてボクは「ボクはいつから大人になったんだろう」と考えた


今までしてきた悪いこと 誰かを悲しませたこと 誰も幸せにならないようなこと

そんな行為や発言 そして無意味でいたずらなキッスを

思い出し 苦笑いを ひとつして カーステレオをかけたが 尾崎豊はそこにはなかった

行儀よく真面目なんてクソ食らえを思っていたあの頃の記憶が ボクの頭を染め上げた


ただただ蘇る 罪悪感 

高校生になると もう大人の仲間入りをしたようなつもりになっていた

そんなつもりなって 今日まで生きてきてしまったようだ

失敗や後悔を繰り返して 大人になったのか となんとなく悟ったつもりなった

その逆に 失敗を失敗と気づかずに 生きることの恐ろしさを感じた


先日 十代の学生による 新聞の投稿で

”逃げて怒られるのは人間ぐらい 
ほかの生き物たちは 本能で逃げないと生きていけないのに
どうして「逃げてはいけない」なんて答えにたどりついたのだろう”

というものがあったそうだ

圧迫的な家庭や学校教育で育ってしまったのか 色々と考えてしまう

いつかそれが 決められた答えではなく 一つの選択肢だと
わかるときがくることを祈って いや わかっているからこそ言えたのかもしれない


70年前の今日 日本で一番長い一日を明けた今日はあって

それを知らないボクたちは たくさんの「平和」を耳にし 口にしてきた

先人たちの思いから出た その言葉を 改めて考える


子供の頃の小さないたずらでさえ こんなにも罪悪感に襲われるというのに

怒りや恨みが 罪悪感を亡くす

この星で人間は 罪悪感を持たされたはずの 一種の動物のなんだ


2016年7月28日木曜日

かき氷がとけたら 君はそれを何と呼ぶ

かゆい


かかとがかゆい かかとがかゆい かかとがなんでかゆいんだよ

と 踵の痒みで 目覚まし時計より早く 目が覚めた


寝ている間に 蚊にでも 刺されたのかと思い 

研がれもしない ネイルサロンにも行っていない 
その爪という刃物で 痒い部分を 
掻き削りえぐり摂ってやろうと その刃を踵に向けると 

楕円の薄い皮が 踵から浮いて 取れかかっていることに気がついた


何日前に 久々に履いたスニーカーで 知らぬ間に靴擦れし
水膨れになり そのまま ほおっておいた傷跡が 自然治癒された 

その証として 薄皮が取れたんだ

ボクの心で騒ぎだっていた感情は 鎮まり 癒された 喜びを感じていた

それでも 踵は 痒かった

人は 小さなことでも 自分の中で変化が起こると いつだって痒みを伴う


高校生の頃 やっと伸ばした髪に 憧れのパーマネントウェーブをあてようと
当時流行っていた ツイストパーマと呼ばれた 其パーマネントウェーブをあてに 

美容室へ行った

ボサボサ頭を我慢して ここまで伸ばし 
美容師さんにやっと小綺麗にしてもらえる 喜び 

生まれた時から中学生までずっと丸坊主で 顔の細工悪く

高校生活が始まるととにかく髪を伸ばし 
不細工ヅラにボサボサ頭 モテる要素など 全く持ち合わせてなかった

そんなボクにとって 其の勇気ある変化は
「きっともしかしたら少しでも 何かが変わるのかも」
という 真に暗い世界に 差込もうしていた 一本の光だった


美容院の匂いが好きだ 

おしゃれにした お兄さんやおねいさんがいて とても眩しかった

初めてのパーマネントウェーブ液の匂いは 今でも覚えている


長い時間 椅子に座り 髪が仕上がり シャカシャカした布を外してもらう

そう 美容院でカットが終わった瞬間の あの清々しさは何にも例えれない

夢でも見ているような 感覚だった


「今日は髪を洗わないようにしてくださいね」

と噂に聞いていた言葉をいただき ボクは気持ちが高揚した

少しだけ生まれ変わった自分に 照れと痒みか感じながら帰宅し
家族にあまり会わないようように 自分の部屋に向かい
次の朝も 家族にあまり会わないように家を出て 電車に乗り学校へ向かった

「こんなに学校に行くのが 楽しいなんて ボク知らなかった」
と 一人で自転車を漕ぐ自分が 少しだけキラキラしているように思えた

そして 学校に着くと また心が照れ痒くなり始めた
それでもいつもの表情を必死で作り いつものように教室に入ると

そこでボクを迎えてくれたのは いつもの教室と いつもの空気感だった

「やっぱりそうだよな」 と思って 席についた

そうすると友人が話しかけてきた

「今日 湿気やばくね?」

そう ボクは もともと 天然パーマだった

いつものようにチャイムが鳴り いつものように授業が始まる

休み時間 廊下で アイツが あんまり面白いことも言ってないのに
あの子が 笑っていた 

ボクは そのまま早退することにした

そんなこと思い出して また心が少しだけ 痒くなった


いつか 知人の家に泊まり 真夜中に 右足のお母さん指を
蚊に刺されて 痒みを超えた それを体験したことを 思い出した

結局何と誰が悪いかって 誰も何も悪くなくて

全てはいつも自分なんだ


かゆい


2016年7月17日日曜日

戦う ということは


最近 よく図書館に行きます その図書館はわりと大きい建物で

3階に 自習できる部屋 会議室 喫茶店 
そして フリースペースという 自由な空間がある


自由な空間というだけあって もちろん 自習をする学生がいて 

いつもクロスワードをやっているおばさん 小さな声で小さな恋を語らう女学生 

自前のPCでインターネットに没頭するおじさん お弁当を食べる人 
そして下の階で集めた資料とPCを広げて なんとなく考え事をしているボクなどがいる

そこはそこそこ広く 人もそこそこいて 色んな人と時間を共有できる空間とされ

それぞれがそれぞれの世界 飛び込める そんなフリースペースなのである



その日

ボクは少し太っているので その日も エレベーターを使わず
階段でそこまで上がり 「登ったぞ」と少しだけ息を切らしながら
息を切らした自分に 少しだけの陶酔していた


階段を上がったすぐのテーブルで 黙々と自習をする男子学生が すぐに目についた


彼はイヤフォンをして 左右の足脚を激しく上下に揺すりながら
「チャっチャっチャっ」と 音を立てながら ガムを噛んでいた

「パーフェクト超人が現れた!」と ボクは心の中で思った

その日もそこそこ利用している人がいて 
面白いように 彼が視界に入る席しか空いていなかったので
ボクは恐れず そこに座った

彼が(たぶん聴いている音楽に合わせて)
左右にダンサブルに頭を揺らしながら ノートと参考書を行ったり来たりしている様が
なんとなくボクの視界に入ったが ボクはボクのやりたいことがあったので  ボクはボクの世界に 没頭していた

すると 彼が肩を揺らしながら 立ち上がるのが見えた

そして 左脚をちょっと前に出し 今度は体全体を 前後に小さく揺らして

両手の拳を アゴの下まで持ち上げた 

構えた

シャドーボクシングを始めた 

イヤフォンはつけたままだった

慣れない手つきで 軽そうな 弾道がブレた その弾丸(拳)は

とても静かなその空間にとって まさに晴天の霹靂だった


それから何発か パンチを打ったと思えば

急に彼は その拳をおろした

階段から おじさんが登ってきた

「ノーガードぶらし戦法だ」

 
おじさんは 小さく体を揺らす彼を すぅっとかわして


その先のトイレに向った 

彼の勝利だ

否 ちがう 

戦意を持たない者に対しての攻撃は 罪なのである

そして彼は 己の負けを認めるかのように また座り 
左右の足脚を上下を揺すりながら ふたたび勉強を 始めた


「そう、戦うべき相手はいつだって 弱い自分(己)なんだ。」と

ボクはメモ用紙に 雑な書き 紙飛行機にして 空へ飛ばした

いつかリングの上で 再び彼に会えることを願って

そして 自由に学べる空間が この街この国にあることの喜びを感じていた

今では空が笑わないから ボクは笑い方を忘れてしまうところだった



2016年7月13日水曜日

野菜売り場のニラが 束ねたテープが外れて バラバラになっていたのであった

駐車場の空き待ちをしていて 空いたと思ったら

順路を逆走してきた おばちゃんがそこに駐車してしまった

停めてからなんとなく気がついたようだった彼女は それでも

ボクとボクの車の 存在がなかったかのような素振りで 目もくれず

逃げるように小走りしたので ボクも小走りで追いかけ

やっと掴んだ彼女の手を強く引寄せ ギュっと こちらを向いた瞬間に 
キッスしてから 「ズルいのは どっちのほうだい?」 と尋ねた

それから逮捕されたのは ボクのほうだった

この世は そんな理不尽なことと 
そんなつもりでやったはずじゃないのにそうなってしまったことが
順番に 繰り返し 起こっている

しかし そんな出来事のほとんどは そもそも悪意なんてなく

受取手の そのときの気分や感情で 
それが悪いことだと 決めつけられてしまうのである

嫌われ者と悪者のほとんどは 誰かと誰かの偏見と妄想である


しかし感謝の亡い者と嘘つきは 罪深い 

本当に悪者かどうかの線引きは むつかしいようで 単純だ

その行動と発言のその奥とその先に 何があるかってことだ



と ここまで書いておいて なんでこんな事を書いたのかと ふと立ち止まる


今日 運転中に 右折待ちをしていて 対向車が停まって 譲ってくだすった
にも関わらず なんとなく他に気を取られて
譲ってくだすった対向車の方にアイサツをするのを忘れて 右折してしまった

ボクは 罪深い男なんだ

そんな感謝を失くした罪深いボクは 誰にも罰せられることもなく
明日も口笛を吹きながら 誰かに嫌われて 生きていくのだろう


2016年6月22日水曜日

すだちを 買おう

理由もない憂鬱を 小脇に抱えたまま帰宅したと思ったら

レンタルのCDを返していないことを思い出し またため息を一つ

あわてても あわてなくても 延滞料金は発生しているので
洗濯機を回してから 家を出る 

家を出た序でに 出そうを思っていた郵便物を 家に忘れたのを
思い出したけど 今晩出そうが明日朝出そうが 配達日は一緒なので

すんなり諦めて 車を走らせる ゆっくり走らせる 後ろの車にあおられる

そういえば 今朝も 同じ道で 後ろの車にあおられた


それから さっさとCDを返し(延滞料金を支払い) 雑誌を適当に眺めて

帰路につく なんとなくノドが乾いた気がして コンビニに立ち寄る


なんとなく目についた リプトンの100円の500の紙パックのヤツを手に取る

昔のバイト先の 大キライだった社長がいつも飲んでいて
なんとなくトラウマ的に 10年ほど飲んでいなかったけど

思い切って買って 店先の飲んで つぶやいた

「こんな味だったっけなぁ」


そうすると 斉藤和義の「歩いて帰ろう」を 爆音で鳴らしていた車が
走っているなと その音のほうへ 振り返ると


先日 ユニクロのCMで見た ステテコパンツを履いている
見知らぬ お姉さんが 歩いてた


そういえば なんでもないメールをしていた友人からもメールが返ってこなくなった


大した憂鬱でもないが 
ボクがどんな憂鬱を小脇に抱えていたとしても
世界中が憂鬱ではなくて 

なんでもない日常だったり とんでもないそれぞれの日常が そこにある


そして 布団に入れば 今日が終わる  なんでもなかった今日が 

そしてなんでもない明日を迎えるために 眠るのである



おやすみなさい 




2016年6月12日日曜日

ギンヤンマはキライだ だって美味しくなさそうだから


松本駅前のイトーヨーカドーの地下の 食料品売り場で

胸に”ちぃんちぃん”と 描かれた Tシャツを着た アジア系外国人旅行客をみて 

一瞬唖然とするも それが仏蘭西の大人気漫画「タンタンの冒険」
のモノだと理解するのも 時間の問題だった


国や文化や言葉の違いは 時に愉快で時に残酷である


中学生のとき 英語の授業で リピートアフターミー的に読まされた
そのとき "小指” を意味していた ピンキーという単語を

英国人講師が ボクらにリピートアフターミーをさせながら爆笑していたので
その理由を問うと 彼は祖国のスラングで 
”ピンキーは 小指のように小さなおちぃんちぃんを意味するだぜ” と教えてくれた


その様は さぞかし滑稽であったろうなと 今でもしみじみ思う


日曜の朝に こうして日記を書きながら 日曜の朝だっていうのに
なんでこんな話になったんだと 自己嫌悪に陥るのである


起きてから 落語を聞きながら 風呂に入り 
マルっと膨れたワガママボディを丸洗いして

fishmansの『宇宙 日本 世田谷』を聴きながらこうして 日記を書く


いつか此アルバムのWALKING IN THE RHYTHMの クラブパーティで
まるまる一曲かけたときに 佐藤さんの唄の無くなる後半部分になると
フロアからどんどん人が減って行く様を DJブースから眺めていた

曲ももちろん 最後にどんでん返しで盛りあがることもなく
終わりかけて 音をどんどんと減らしていく 
最後にピアノの音を心の鼓動のような音だけが残る

これがあるから次のデイドリームが最高なんじゃないか 最高ですか!
と突きつけるかのようにプレイするボクは 傲慢で厚かましい最低のDJだった

ボクはなんてあそこの小さな男なんだ


お後がよろしいようで 

それではよい休日をお過ごしくださいませ



 

2016年4月10日日曜日

ボクの好きなあの唄は いつも君に聴こえていない


ビールを2杯 スクリュードライバーを1杯

ボクをヘベレケにするには 充分なほどの お酒を呑んだ夜

充分なほど上機嫌になって 帰路を歩む


イヤーフォンを持ち合わせておらず 耳元で迷惑にならないボリュームで

アイフォーンのステレオから ポラリスの「光と影」を鳴らした

それだけでは飽き、足らず 
そのアイフォーンを左の耳元で 扇ぐように揺らし
自分だけに聴こえるよう リバーブ効果を加える

その曲のまた心地よさを知る  

そしていつかのタイコクラブで
其バンドが まるで青空を薄赤い色を変える魔法をかけるように

「季節」という曲演奏していたことを なんとなく思い出していた

しかしボクのアイフォーンは 魔法の杖でもなく 
どんな振っても あの深い藍色の空は 晴れ渡ることもなかった

むしろ 自らも意トしない操作で その曲を停止させてしまった

それでも懲りずに ボクはアイフォーンを振りながら帰った


その姿を不審に思った警察官に 捕まらなくてよかったと 今更思う


いつもより遅い就寝から いつもより早い起床をし
『リップヴァンウィンクルの花嫁』という映画を観てきた

岩井俊二監督が描く その世界と描写は
ときよりドキュメンタリーでも見ていると錯覚するほど 生々しく
その錯覚とその物語との距離感覚が混乱するほどに
その非日常的な世界が 美しく描かれていた

そして 真白から吐き出させる 真白の優しい言葉に
ただただ 涙が溢れてきた  最近 体重がまた増えたせいか 涙もろくなった


いつか”リリィ・シュシュのすべて”
を観たときの自分を なんとなく思い出していた

あの鉄塔とカイトのシーンが その悲しみと反比例するほどに美しかったこと
最後の描写に 共感を抱いてしまったこと

それから昔 映画監督になることを夢見たことを 思い出していた

今となっては 映画監督どころか ただの小太りで
映像を撮るとなっても 鉄板の上で踊る肉を撮るぐらいなもんだ

夢を諦めたわけでもなく かといって必死に実現しようとしたわけでもなく


ああ なんていい加減な生き方をしているだ 

と ほどよく自己嫌悪になったところで ボクはあの歌を口ずさむのだ