2015年10月8日木曜日

豆腐を茹でよう 君の涙が已むのなら


白いウエスタンブーツ  

白いウエスタンブーツを履いた人間しか その街に入れない


のかと 思うくらい その日の原宿には 白いソレを履いた女性しかいなかった


ほどよく色落ちしたリーバイスの505でも探したろ と思って訪れた原宿の
シカゴの 階段を降りたその先に どこぞのカーボウイが履いたかわからない
白いウエスタンブーツが 大量に陳列されていることにまた 
少しの恐怖みたいなモノを感じながらも

どこぞの労働者が履いていたかわからない 
ほどよく色落ちしたアメリカ製の505を手に入れ その街を去った 


10年ほど前の話だ


10年前のその日は 流行とオシャレについて 
答えなき答えを自問自答する ある意味 トラウマのような日だった


そのスタイルが良い悪いというファッション評論ではなく
流行というモノのエネルギーを
目の当たりにしたというより 妙に客観視してしまった日だった


そんなことを 色落ちの進んだ505に脚を通しながら思い出していた


気持ちのどこかに夏気分を残したまま
履くズボンは 長ズボン  半袖のTシャツの 上に羽織るモノを

押し入れの奥の奥の奥のほうから 引っぱりだしては

「ああ こんな服持っていたな」と 
その服にまつわるエトセトラをなんとなく思い出す  そんな 季節となった



ここ数日の この街の朝晩の冷え込みも とても秋とは思えないほど


朝方に めくれた布団から 飛び出した足の先を 温めるつもりかなんなのか

右足のアキレス腱を 左足のお父さん指とお母さん指で挟んで寝ている自分に

なんとなく気がついて 目を覚まし 結局 冷えきったその太い脚足を

どうして 温めてやろうかと 思い悩みながらまた 眠りに落ちる


暖かくして眠ればいいだけなのに 今日も目を覚ます

寝冷えもする お腹も痛くなる 暖かくして眠ればいいだけなのに




とにかくボクは とびきりセンチメンタルなんだ



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