あの日の 帰り道 夜道
雪の中をせっせと 我が家を目指して歩いていると
歩道に 手袋が 片方だけ落ちていた
道路に 片方だけの手袋や 靴が落ちているのを 見かけると
どうしようもない 切なさに 襲われる
片方だけ失くしてしまった手袋の その持ち主のことを思う
失くした瞬間から どんどんと 凍えていく その片手
使い道も 使おうとする気持ちも 失い
押し入れの隅っこに 追いやられることになる
残された片方だけの手袋
それは お気に入りの手袋に限って
片方だけ失くしてしまうという ナントカの法則
さっきまでの 楽しい気持ちが どこかにいってしまった
その日は お祭りで
御神輿を担いで
綱引きに勝って
(撮影 村山先輩)
いっぱいお酒を呑んで
いいお湯に 入って
おいしいお寿司を食べて
大吉丼大を食べて
あとは おうちの 暖かいお布団に入れば
100満点の一日だった
どうして あの手袋と出会ってしまったのか
と そんなことを思いながら おうちに帰り
眠る前に 歯を磨こうと 歯ブラシを手に取り
うがい薬を 歯ブラシにつけて 歯磨きをした
口に入れた瞬間に 驚いて
うがい薬まじりの 唾液を吐き出した
でも 憂鬱な言葉は 飲み込んだ
楽しいことも 切ないことも 噛み締めながら
その日は 眠った
2015年も始まったばかりだ
今年も長い長い年に なりそうだ
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