2014年10月21日火曜日

小魚を食べると クジラになれる気がしていた

こんばんちゅるうす かっくんです


「しんぞうがんばれ!しんぞうがんばれ!」そう叫びながら


右手でグーと作って 左胸をバンバン叩いてから プールに入る

それが ボクの育った 小さな村の 小さな保育園のルールだった

そして なにも恐れずに プールに飛び込んだ  先生に怒られることも 怖くなかった



そんな 魔法を 大人になってから 女の子に 告白するときに 使ってみた


どんなに叩いても どんなに叩いても 「好きだ」の3文字が口から出てこず


口から飛び出したのは 二人で食べた 唐揚げと カルピスサワーだった




食べたときは なんの味もしなかったのに

吐き出したときの 味は 強烈に感じた  

それは涙が 出るほどだった


なんで泣いているか わからなくなって もっと涙が出て来た



大人になると 魔法が使えなくなるんだ




子供の頃 寒い日の朝 外で裸になり タオルでゴシゴシ 体をこすると健康になる


「寒風摩擦」という 魔法の儀式があった


大人になってから その儀式すると やってきたのは 悲鳴と警察だった


大人になると 魔法が使えなくなるんだ




子供の頃 傘を持てば 空を飛べるような 気がしていた

カッパを着れば 透明人間にでもなった 気がしていた

赤い靴を履けば 早く走れるような 気がしていた

マンホールに入れば 宇宙にいけるような 気がしていた

自動車税なんて 誰かに払ってもらうもののような 気がしていた

小魚をたくさん 食べれば クジラになれるような 気がしていた

口笛を吹けば 町中でオーケストラをしているような きがしていた



大人になると 魔法が使えなくなるんだ


いや 本気で使おうとしていない だけなんだ きっと

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