2014年11月5日水曜日

ブリトーの 温め方で 測る コンビニ店員のスキル



コンビニエンスストアで シーフードヌードルだけ買って お湯を入れて

食べながら 歩いて帰る 深夜3時


その姿をだれかに見られることより 夜道を歩くことより

そこらで走っている 新聞配達のバイクが 怖かった


明日を感じさせてるなにかが 怖かった


誰かの明日は 誰かにとってはもう今日で

時計でしめされ刻よりも 一度布団に入ったかどうかが 今日と明日の境目なんだ




昔 眠りから覚めたら 昨日だった という体験をしたことがある

16歳だったボクは 生まれて初めて日付変更線越えた


日付変更線の向こうは 本当の意味での別世界だった


同じような境遇 慣れない国での慣れない暮らしや 寂しさから
ボクらは すぐに恋に落ちた 彼女は台湾からやってきた


お互いにつたない英語で コミュニケイションを取り合った
そのやりとりが 愛おしくもあり もどかしくも思うこともあった

彼女は 一生懸命 日本語も覚えてくれた


彼女は とっても 賢い人だった



それでも 文化や習慣の違い 言葉でもキッスでも 思いが伝わらず


二人で買った ウッディウッドペッカーのキーホルダーを
ボクは 橋から川へ投げ捨てた


「ナンデーーい!」 彼女は そう叫んで泣き崩れた


ボクは そんな彼女を見ないフリをして 帰国を決めた

昨日から 明日へ 帰ることにした


帰りの飛行機で 何度も彼女の あの日の「なんでぃ」が頭の中をループしていた


ボクは ハッとした 


突然の 咄嗟な言葉ですら 日本語になるほど

彼女はボクのために 日本語を覚えてくてた

ボクは 彼女のずっとずっと深い愛に やっと気がついた

でも もう遅かった


帰国して すぐにスカイプをすると 
彼女は アフリカ系のたくましい男性と 幸せそうに 暮らしていた


彼女はスワヒリ語を 話していた



彼女はとっても 賢い人だった



彼女は今でも ボクの昨日を 生きていて
ボクは これからも 明日を生き続けるんだ


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