2014年12月1日月曜日

何杯のラーメンを食べるべきなのか



あの方は いつも豪快に笑う人でした



初めてあの方と お会いしたのは 前の前の仕事をしているときのことでした



先輩に「配送いってきて」 
と渡された住所と地図に 示された所へ向かい

そこに 到着するであろう時刻の 約10分前に

「もうすぐ到着します」と お電話をすると

「そこではない」と言われ 

改めて住所を聞き またそこから 車で1時間ほどの場所へ

ボクは 慌ててむかった


ボクは そのお客様と その日まで 全くやりとりをしていなかったので

先輩が間違ったのか お客様と行き違いがあったのかは 
誰が悪いとか どうしたもんだか わからなかったけど


お客様を お待たせしていることが  ただそこにある事実


到着するとすぐに ボクは誠意を持って 謝罪をした




すると あの方は 「場所間違っちまったか! ガハハハ!」 


と 豪快に笑って 気持ちよく許して下さった


それから「これでラーメンでも食って帰れ!」と 5千円札を差し出した


ボクは 「いただけません」と 両手を左右に振ると

その手の指と指の間に サクっと お札を差し込んで

ボクは受け取らざるを得ない状態になり

また ボクは深々と頭を下げて お礼を言って 
約束通り 帰り道に ラーメンを食べて 会社へもどった



それから 数ヶ月後 あの方はまた お店に現れた


あれもこれもと 豪快にたくさんの商品を選ばれ

「急いでいるから すぐに見積が欲しい」と頼まれたので


ボクは 大至急 その場で見積書を作り お渡した


そしてすぐに お客様は帰って行った


急にイヤな予感がして 見積書を見返すと 


やっぱりボクは やってしまっていた

ある一つの高額商品を 0を一つ付け忘れて計算してしまったのだ


「またやってしまった」と「次は絶対に怒られる」と 泣きそうだったけど


それよりなにより早く連絡だと ボクは 恐る恐る電話をした


するとお客様は
「0が一つたりねぇってか! ガハハハハ!」 


と また豪快に笑って許してくれた


それから後日連絡をいただき

そのとき見積した商品はもちろん

さらに追加の商品もいっしょに 気持ちよくお買い上げしてくださった


本当ならば 販売する側が お客様を感動させなければ ならないのに
ボクは そのお客様の心意気に とても感動し 大きな学びを得た




その 菅原様というお客様から ボクは

「何事も何時も 大きな声で 笑って許す」 ということを学んだ



その方が 出演されていた 映画やドラマを 
たくさん観ていたわけではなかったし

ただ 大物俳優と 一般男性(会社員)という間柄であって 

ほんの 数回のやりとりをした だけだったけれども




菅原文太さん  という一人の人間から 


とても大きな影響を受けました


そんな ボクの小さくて とても大きな 思い出話




ご冥福をお祈ります


合掌 礼拝


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