2014年2月3日月曜日

銀鱈を 耳にあてて 海を思い出す 君のいない海を

風穴の里という 松本から上高地へとつづく あの道にある
道の駅の ソースカツ丼が とてもおいしかった



おいしかったから ボクは 同じものを おかわりした




その日は 真冬のシーズンなのに 気温が10度もあった


こんなにあたたかいのに サーフパンツを履いたり Tシャツのスソをしばったり
裸足で駆け出したり ジャックジョンソンを聴いたりという 気分になれなかった


ボクは この星の温暖化が進んでいることを 
まだ素直に受け入れらていないんだなということに 気がついた


テラノサウルスや トリケラトプスが 
どんなふうに氷河期をむかえ どんなふうに氷河期に抵抗し 
どんなふうに氷河期を受け入れ どんなふうに氷河期を楽しんだのかは
ボクは 知らない



今日も松本も とても暖かかった  松本駅近くの 電工掲示板は
気温が15度であることと 
温暖化防止をアレするため 排気ガスの排出を抑えるアレをするため 
速度注意という文字を 点滅さえていた

暖かいというより 暑いくらいだった
ボクはいつもより薄着で スケートボードを乗り回していた


交差点での 信号待ちをしていると
学校帰りの高校生女子と高校生男子が 手をつなんでいた
少し照れくれそうに 笑いながら 二人は
学校の先生の悪口を 楽しそうに 話していた


また二つ先の交差点 信号待ちの横断歩道のその先に
高校生の男女が 手をつなんでいた


ボクも なんだかうれしくなった 頬を赤らめた
信号が青にかわり スケートボードを漕ぎ出し 声を出した

「春がきたんだ 春がきたぞ 春が来たぞーい」

ボクの声は次第に大きくなった

「春が来たぞーい! 春が来たぞーーい!!!」

ボクは街中の人たちに 春の訪れを知らせた
スケートボードを漕ぎながら 大きな声で春の訪れを知らせた


背中に なにか当たったような 感覚を覚えた


大豆だ

街中のみんなが ボクに向かって 大豆を投げてきた
「鬼だ! 赤鬼だ!! 赤鬼がでたぞーーーい!!!」


そうか 今日は節分

ボクは 体中に 大豆のシャワーを浴びながら
ツノを失くした 赤い顔の 小太りの鬼を 精一杯演じた




春なんだ




0 件のコメント:

コメントを投稿